2009年9月30日水曜日

消しゴムから訓戒へ

ドリはたまに電話をしてくる。
ある時は、
  「Gパンを持ってきて!」
またある時は、
  「体育館用のスニーカーを買いに連れてって!」
そして今回は、
  「消しゴムを買ってきて!」
と言ってきた。

ドリに
  「ご生母様を何と心得る?」
と問うたら、涼しい顔をして、
  「パシリと心得る。」
と答えるであろう。
まったく失礼千万この上ない。

それにね、ドリは親が近くに住んでいるから足りない物があればすぐに届けてあげられる。
でも、日本から来ている子はどするの?
自分で何とかするわけでしょ。
何でも親を当てにするんじゃあなくて、自力解決の道をみつけるのも一つの勉強だと思うんだけどねぇ。

 なぁーんて愚痴を友人K子さんにこぼしたら・・・

  「かわいいじゃん!
   持って行ってあげなよ。
   頼りにされているうちが花だよ。
   そのうち頼りにもされなくなるんだから。
   そうなったら、淋しいものだよ。」
私は渋い顔で答える。
  「まあ、そうかもしれないけれど、
   何でもかんでも親頼みっていうのは
   如何なものかと思うわけよ。」

K子さんは重ねて言う。
  「そんなこと言わないで・・・。
   いっぱい買っていってあげるといいよ。
   もしも他に消しゴムがない子がいたら
   分けてあげられるように。」
それを聞いて、私は褒めた。
  「なるほどね・・・K子さんはよく気がつく人だねぇ。」

K子さんは続けて言う。
  「あのね、一つ言われて一つするのはバカなのよ。
   一つ言われたら十やるの。
   それでようやく一人前!

ははーッ!痛み入りましてございまする。
私のように子供にこき使われたくらいでカリカリする肝っ玉の小さな人間には、思いも寄らない発想である。
気配り、思いやり、やさしさ、親切・・・欠落している私。
自愛はあるけど慈愛はない。
ああ、いい年して半人前以下か・・・(涙)。

消しゴム一つの話から、人生における訓戒にまで発展してしまった。
アメリカで人生勉強しています。


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