日本のおじいちゃん、おばあちゃんがゲートボールを楽しむように、アメリカのおじいちゃん、おばあちゃんはゴルフを楽しむ。
歩くのがやっとのおじいちゃんやら、クラブなんて振ったら全身バラバラになってしまうのではないかと思うようなおばあちゃんやら、平日のゴルフ場にはいろいろなゴルファーが集う。
先日のゴルフは2人のおじいちゃんゴルファーと一緒に回った。
スタート前に
"Nice to meet you !"
とご挨拶。
すると一人のおじいちゃんが言った
「前に一度一緒に回ったよね?」
私は覚えていない。
だいたい私の目にはアメリカ人の顔はみんな同じに見える。
さすがに2人並んでいれば見分けがつくが、別の場所で会った場合、あの人とこの人は同一人物なのか別人なのかさっぱり区別がつかないのだ。
てな訳で、「前に・・・」なんて言われても肯定も否定もできず、
「ごめんなさい、覚えていないんです。」
と正直に答えておいた。
1ホール目の第1打を打ち終わったところで、私の目は点になった(・・")。
原因は一人のおじいちゃんの足元。
片足はゴルフシューズを履いている(当然だ)。
が、もう片方の足はサンダル履き!
後で聞いたところによると、足を怪我していてゴルフシューズが履けないのだそうだ。
そう言えば、ちょっと片足を引きずっている。
(((((オイオイ、そんな状態でゴルフするか?!)))))
初めのうちはおとなしかった2人のおじいちゃん、3ホール目あたりからジワジワうるさくなり始めた。
ちょっと良いショットがでると、
"Beautiful !! ヒューヒュー!!"
と大騒ぎする。
アメリカ人はナイス・ショットのことを"Good ball !"と言う。
"Beautiful !"なんて表現する人は初めて。
ま、それはともかく、ゴルフは紳士のスポーツのはず。
(((((ヒューヒューはお下品じゃあないかい?!)))))
ゴルフコース内にはスケジュールを管理している人が
巡回している。
この管理人さん、コースをグルグル回りながら、
ノロマな組を見つけては、
"Hurry up!"
と急き立てるのがお仕事。
私たちはグズ・ノロ・マヌケだから、
ちょくちょく注意される。
その度に『ヤバイ!』と思い、それなりに急ごうとする。
とは言え、腕が腕だからどんなに頑張っても
早々速く回れるわけでもない。
それでも私たちは努力だけはする。
この日も少々遅れ気味。
私たちのヘタクソとおじいちゃんたちのマイペースの相乗効果で、前の組と間が空いてしまった。
コース管理のおじちゃんが来たら、きっと注意されるだろうなぁ・・・と私は気が気ではない。
歩く速度を少し速める。
が、おじいちゃんたちはお構いなし。
絶対に自分たちのペースを崩さない。
そうこうしているうちにコース管理のおじちゃん登場。
案の定、
"Hurry up !"
と言う。
すると、マイペースおじいちゃんは、睨みをきかせながら、
「わしゃ、急ぐのは好かんッ!」
とドスの聞いた声で言い返した。
コース管理のおじちゃん、しばし絶句・・・。
両手を広げ、肩をすくめ、天を仰いで立ち去った。
私も絶句・・・
(((((おじいちゃん、強すぎる!)))))
このおじいちゃんたちタダモノではない。
そう思い始めた頃、前半9ホールが終わった。
(つづく)
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