2009年10月5日月曜日

2人のおじいちゃんゴルファー②

後半に入ると、2人の賑やかさはさらにUPした。
どんなにヘボい当たりでも、
  "Beauuuuuutiful ! ヒューヒューヒュー・・・"
と歓声をあげる。
おじいちゃんたち、何も見ていないのか、はたまた見えていないのか?
心配になる。
そればかりか、私のフォームを見て、
  「アニカ・ソレンタム(アメリカの女子プロゴルファー)
   が打っているようだ!」
と言い出した。
もしも私が少女だったら・・・
豚も煽てりゃ木に登る状態、いやいや木に登るだけでは飽き足らず、大気圏外にまで吹っ飛ぶほど舞い上がっていたに違いない。
が、私はオトナだ。
自分の分を十分わきまえている。
自分のフォームが悪いことも十二分に知っている。
だから、
  「悪い冗談はやめてね。」
と釘を刺したのだが・・・このおじいちゃんたち、そんな言葉を気にするような人たちではない。
逆に面白がって、その後も『アニカ・ソレンタム』を連発し続けた。

  ここで私は考えた。
  アメリカの子供たちは、こんな風に歯の浮くような
  煽てに乗せられて育つのではないか。
  だから大人になったとき、自分自身に
  過剰なまでの自信をもっている。
  日本でも『子供は褒めて育てよ』というが、
  なかなか上手く実践できないのが現状。
  日本では『自信』と同時に『謙虚』も要求されるからね。
  この2つを両立させるのは至難の業。
  ある意味において
  『アメリカは子供にとって天国のような国』
  なのかもしれない。


話をゴルフに戻して・・・。
このおじいちゃんたち、林を見るとその中に分け入っていくという悪癖を持っている。
林の中に入った自分のボールを探しに行くのではない(自分のボールはフェアウェイど真ん中に鎮座している)。
誰かが林の中に打ち込んで、そのまま放置していったボールを拾い、ポケットに仕舞うのだ。
自分のポケットに入れるだけではない。
私にまで分け前をくれる。
私はその日、キャラウェイというメーカーのボールを使っていた。
私はボールのメーカーに何のこだわりもない(メーカーにこだわるほどの腕ではないから、ゴルフボールなら何でもいい)。
その日はたまたま頂き物のキャラウェイのボールがあったから、それを使っていただけなのだが・・・。
おじいちゃんは私がキャラウェイ好きと勘違いしたらしい。
キャラウェイのボールを見つける度に、
  「はい、プレゼント!」
と言って、私にくれた。
親切。
でも、道草ばかり食っているから、前の組との差は徐々に開いていく。
(((((少し急いだほうがいいんじゃないの?!)))))


傍若無人なおじいちゃんは、途中から葉巻をくゆらせ始めた。
悠然と葉巻を楽しむ姿・・・黒いスーツを着て派手なネクタイを締めたら、マフィアの親分に見えるかもしれない。
ひょっとしたら、とっても怖い人?
あっ、マフィアの親分なら、1ラウンド$25のパブリックコースになんて来ないよね。
もっと立派なプライベートコースに行くはずだ。
それに『ボール拾い』なんてするはずがない。
(((((ホッ・・・)))))


ようやく18ホール終了。
クタクタに疲れたけれど、一応、礼儀正しく
  "Thank you !"
とご挨拶。
おじいちゃんたちは、
  「今日はナイスなレディと一緒だったから、
   すごく楽しかったよ!」
だって。
いやいや、アナタたちなら一緒に回る人が誰であれ、すっごく楽しめると思うよ。
何しろ、いかなる状況でも好き勝手に振舞えるんだから。

このおじいちゃんたちが日本のゴルフ場でプレーしたら・・・たぶん、あっという間につまみ出されるだろう。


PS.
おじいちゃんたち、マナーは"?"だったけど、
ゴルフの腕はなかなかのものでした。


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