午前9時過ぎ、消防車のサイレンが鳴り響いた。
サイレンの音は、1台や2台ではない。
相当数の消防車が集結している様子・・・それもかなり近くに。
何だ?何だ?
と思っていたら、我が家の真ん前にも1台止まった。
窓から外を伺ったが、火はおろか煙すら見えない。
でも消火栓からホースを延ばして、何やら作業をしている。
やはり近所で火事が起きたのか?
すっごく気になる・・・。
根性はすっかり野次馬。
でも『外に出て様子を見る』なんて行動をとっていいのか・・・少々ためらう。
アメリカの常識を知らないからね。
ひょっとしたら火事場の野次馬は大変失礼なことで、
絶対にやってはいけないことかもしれないでしょ。
その辺が分からないんだよね。
それでも、何があったのか知りたい!
あっちの窓、こっちの窓、あらゆる所から外を見たけど、見えるのは消防車とその関係車両のみ。
なぜ来たのか、その原因が分からない。
ジリジリしながら二の足を踏んでいると・・・
その足元にブウがいるではないか (^o^)Oh!
「ブウ、散歩に行きたいよねッ?!」
と声を掛けると、嬉しそうに飛び跳ねる。
エヘッ・・・ブウの散歩にかこつけて、偵察に行くことにした。
普段は”食っちゃ寝”ばかりしているブウも、たまには役に立つことがある。
そんな私を見て、ドリが言った。
「まさかとは思うけど、ブウをダシにして
野次馬しに行くんじゃあないでしょうね?!」
私はニタッと笑って答える。
「はいッ! その『まさか』だよん。」
すると眉をひそめて、ドリが言う。
「そんな事をして公務執行妨害とかでママが捕まったら、
私たちはどうしたらいいの?」
考えることが大袈裟すぎる・・・。
火事を見学に行ったくらいで、逮捕される訳ないじゃあないか。
もとい(訂正)。
『火事を見学に行く』んじゃあなくて、
『犬の散歩に行ったらたまたま火災現場に遭遇した』だけなのだ。
何の罪がある?
捕まるわけないじゃあないか。
不安そうなドリに
「後のことは任せた!
何かあったら、よろしく頼むよ。」
と言い残し、ブウとともに外に出た。
もちろん、ポケットにはカメラを忍ばせて・・・。
道路に出て辺りを見回すと、現場はすぐにわかった。
消防車、関係車両が道路を占拠して、びっしり止まっていたから。
でも火もなければ煙もない。
消防士の動作は緩慢。
緊迫感のカケラも感じられない。
どうもボヤ程度で済んだようだ。
不幸中の幸い!
確認したら、すっかり気持ちが落ち着いた私。
まだまだ散歩したそうなブウに、
「散歩は終了!家に帰るよ。」
と冷たく言い放ち、帰途に着いた。
PS.
3軒先のオジサンが外に出てキョロキョロ辺りを伺っていた。
アメリカにも野次馬がいるようだ。
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