『一緒に暮らさない?』
と、ドリが青い目の金髪の男の子に誘われた。
なぁーんて色っぽい話ではない(残念ながら・・・)。
New York Timesの読者からの投稿欄に載っていた話である。
昨日のESLのとき、テレサ(先生)が教材として、New York Timesの投稿欄に載っている記事をいくつか持ってきた。
各自でそれを読み要旨を述べる、というのが課題。
私のところにやってきた記事は、こんな内容だった。
ある日、80歳のおばあちゃんがタクシーに乗った。
運転手が
「一人暮らしか?」
と尋ねる。
おばあちゃんは
「一人暮らしだ」
と答える。
すると、運転手は
「ちゃんと面倒をみるから、一緒に暮らさないか?」
と誘う。
おばあちゃんの答は、NO!
それでも、運転手は何度も一緒に暮らそうと誘う。
さらには、
「電話番号を教えようか?」
とまで言う。
私は、この記事を読んで『おばあちゃんの財産目当てのナンパ』だと思った。
だって、おばあちゃんは80歳。
平均寿命から言えば、そろそろ・・・ってお年頃だ。
それに、運転手とおばあちゃんは親戚筋でも何でもない。
行きずりの運転手と乗客に過ぎない。
そんな人に『一緒に暮らそう』と誘うなんて、何か魂胆があるに決まっている。
・・・と思った私は、
「運転手はおばあちゃんのお金を狙っているのだと
思う。」
と話した。
すると、テレサは突然ゲラゲラ大笑いを始めた。
大笑いをするような話じゃあないはずなのに・・・唖然とする私。
ひとしきり笑った後で、テレサが解説してくれた。
この話は『財産目当て』なんていう血生臭い話ではなくて、
『老婦人を気遣う優しい運転手がいた』という美談(!)だったらしい。
私は、全く逆の意味に捉えていた。
大笑いされるはずだ。
他の人が読んだ記事に、こんなのもあった。
ダンキン・ドーナツに行ったときのこと。
一人の婦人が入って来て、
誰にともなく一人でペラペラ話し出した。
周りの人たちが怪しいものを感じて身を引く中で、
一人の美少女が、その人の話をマトモに聞いてあげた。
私がまず感じたのは『その婦人は気が狂っている』ってこと。
次に感じたのは『その美少女は自己防衛本能が欠落している』ってこと。
だって、無差別殺人みたいな凶悪犯罪を犯す人って、ちょっと変な人が多いじゃん。
変な人には近づかないに限る。
昔から『触らぬ神に祟りなし』とも言うし・・・。
でも、実はこの話も前述の記事と同様、美談だったのだ!
『一人の美少女が世界を救った』という心温まる話なのだ。
(↑ ここまで言うと、ちと大袈裟すぎるような気もするが・・・)
私は、またしても見当違いな感想を持ったわけだ。
もう一つの記事は・・・
とある公園に3人の女の子がいた。
見知らぬ男性がその3人に頼みごとをする。
「もう少ししたら向こうからカップルが歩いてくるから、
女の人にバラの花束を渡してもらえないか?」
と。
3人がOKすると、男性は用意していた花束を
3人に託し去っていった。
しばらくしてカップルが現れる。
女の子達は約束通り、女の人に花束を渡す。
抱えきれないほどの花束を持った女性に、
男性はひざまずいてプロポーズをした。
さすがの私にも、これがとーってもロマンチックな話だということは分かった。
しかし!!!
男性も3人の女の子達も無用心この上ない・・・とも思う。
もしも花束を託された3人の女の子が”ラッキー!”とばかりに、花束を持ってトンズラしてしまったら、どうするのか?
もしも花束の中に小型爆弾が仕掛けられていたら、どうするのか?
・・・などなど、余計なことを考えてしまう私。
ああ・・・こんな事ではいけない。
いつからこんな風に物事を斜めに見るようになってしまったのだろう。
思い当たることが一つ。
最近、毎日のように『相棒』(刑事ドラマ)のDVDを見ている。
その中には、お金と欲に目が眩んだ強欲オジサン、復讐心に燃えるオネエサン、完全に気が狂っているオニイサン・・・などなど凶悪犯が多数登場する。
あんなのばかり見ているから、妙に疑り深くなってしまったのかも (-_-;)。
『相棒』を見るたびに削ぎ落とされる純真な心・・・。
そう思うなら見るのを止めればいいんだけれど、止められないだよね。
何度見ても、面白いんだもん。
えっ?!
『斜め見』は今に始まったことではない?
昔からそんな事ばかりしていた?
まぁ、そう言われれば一言もないんですけどね(トホホ)。
とりあえず今は『相棒』のせいにしておきましょ。
凶悪犯罪渦巻くアメリカで、
こんなにも見知らぬ人同士が信頼し合えるって、
すごくない?
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