2009年1月8日木曜日

半減期の実験

「今日はいっぱい宿題が出たよ!」
帰って来るなり、ドリが言った。
こりゃ、大変!
いっぱい宿題が出ると、焦るのは子どもだけではない、私も焦る。
アメリカに来てからというもの、宿題は親子の共同作業になっているから・・・。
子ども達がおやつを食べながら、一日の疲れを癒している間に、宿題にザッと目を通す。
宿題は、ESLと数学と理科。
ESLと数学は、なんとかなりそう。

理科は今日やった実験のレポート書きだ。
これが面倒なんだよね。
溜息が出る。
が!!! 実験名を見て、出したばかりの溜息を全部飲み込んだ(=息を飲んだ)。
《放射性同位体の半減期についての実験》
と書いてある。
嘘でしょ?! 我が目を疑う。
放射性同位体なんて、特別な施設がないと扱えないはず。
『設備』なんて生易しいものではダメ、『施設』が必要。
あの学校のどこにそんな施設が隠されているというのか。
どう見ても、いわゆるフツーの中学校にしか見えないのに。
あんなもの、ヘタに扱えば、被爆の恐れだってある。
いったい学校は何をやらせるんだ???
私の頭の中は混乱する。

続きを読むと、
  『準備するもの・・・硬貨100枚、箱、グラフ用紙』
と書いてある。
他には何もなし。
これで、どうやって放射性同位体の半減期を調べるというのか?
放射性同位体について調べるのに、放射性同位体がないじゃあないか。
どんどん混乱の度合いが増す。

さらに読み進めると、
  『実験方法
   ① 100枚の硬貨を全部箱の中に入れて振る
   ② 硬貨のうち表が上になっているものを取り除き
      その枚数をグラグに記入する
   ③ 箱をもう一度振る。
   箱の中の硬貨が2枚以下になるまで、
   ②、③を繰り返す』
と書いてある。
ここまで読んで、ようやく合点がいった。
箱の中の硬貨を放射性同位体とみなして、1回(半減期)ごとに半分に減っていくところを見せたかったのね。
もともと100個あったものが、100→50→25→・・・と、どんどん減っていく様子を。

なんだ、そんな事だったのか。
ちぇっ!・・・パニックなんて起こして損した。
考えてみれば、そうだよね。
中学生に放射性物質を扱わせるはずがない。
私、バカだなぁ。
あー、疲れた。

でもさ、こんなことまで、わざわざ実験する?
黒板に数字で書いたほうが分かりやすくない?


ドリたちは今、理科で『原子、分子』について学んでいる。
昔やったよね、元素の周期表。
1水素H、2ヘリウムHe、3リチウムLi、・・・って必死で暗記した覚えがある。
その中で今回の『放射性同位体』の話が出てきたのだ。
教科書にはα、β、γ線の記述まであって、かなり詳しく勉強している様子。
日本の中学校でも、同位体って扱うの?
私は記憶に無い。
居眠りして聞いていなかったって可能性もあるから、偉そうなことは言えないけれどネ(^_^;)。


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