リスは冬眠するか?
聞いた話では、
『小さなリスは冬眠し、大きなリスは冬眠しない』
らしい。
我が家の庭にやってくるリスたちは、大きい。
よって、冬眠しない。
雪の日でも、元気に庭を駆け回り、木を駆け上っている。
雪の日、窓から外を眺めていたリオが叫んだ。
「大変だ!
リスが木の穴に潜ったまま動かなくなっている!
死んでしまったのかも・・・。」
リスだって、日がな一日、動き続けているわけじゃあない。
お昼寝でもしているんじゃあないの?
って思ったけれど、あんまりうるさく言うものだから、窓の外をのぞいてみると・・・
確かに、リスが木の穴に首を突っ込んでいる。
確かに、動かない。
待つこと5分・・・微動だにしない。
窓を叩いて音を立てても、動かない。
・・・変だ・・・
リスがあの体勢で凍死するとも考えられないし、
ましてや、あの体勢で冬眠してしまったとも考えられない。
見ているうちに、どんどん心配になってきた。
あのリスは、何をしているのか?
生きているのか死んでいるのか?
あまりに気になったので、外に見に行くことにした。
とりあえず、私一人で。
雪を踏みしめながら一歩ずつ近づき、問題のリスを見ると・・・
それはリスではなかった!
それは、単なる木の模様。
家の中から見ると、リスが木の穴に首を突っ込んでいるように見えるのだが、近づいてみると、そこにはリスなんていない。
そこにあるのは、表面にちょっと変な模様のある木だけ!
なんだぁ・・・そんな事だったのか。
わざわざコートを着て、ニット帽をかぶり、手袋までして外に出てきたのに、結果がコレとはねぇ。
損した。
家の中から不安げに様子を見守っているリオに、その事を伝えた。
リオは信じない。
結局、リオも外に飛び出してきて、自分の目で確認した。
で、ようやく納得した。
一件落着!
人騒がせな木だった。
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